さて、どうする
何が出来る。。。。
考えていても時間が過ぎるばかりだ。
え~い、口からでまかせ
やってみるさ!
ICチップメーカーの社長さんに近づき、話を切り出した。
昨年の話を今更持ち出してすみません。
でも伝える必要があります。
昨年納品してもらったクリスマスツリーですが、かなりの不良品
が出ています。
昨年は私たちにとって初めての経験、トライアルだったので、彼等
も納得してくれてます。
でも、今年また同じ事が起きたらどうなりか分かりますか?
来年は仕事が貰えません。
弊社に取っても大打撃。
売上はもちろんですが、取引先に対する信用を一気に失います。
だから同じ失敗を繰り返す訳にはいきません。
これがどういう意味か分かります?
そうです、あなた達も仕事を失うのです。
これだけの数量のオーダーを貰う事は、失礼な言い方ですけど、
あなたたちの規模ではほぼありえない事だと思います。
この工場だって、年間の4分の1はこのクリスマスツリーのオ
ーダーで仕事が埋まっていると聞いてますし、総売上に対する
比率も大きいですよね?
仕事がなくなればサイ社長はもちろん、あなた(ICチップ社長)、
そしてここで働く皆さんが仕事を失うか、今よりも暇になる。
ICチップの社長さんの所にも従業員さんがいるはずです。
彼等の収入をどうするつもりですか?
路頭に迷わせて良いのでしょうか?
それ、社長としてどうなんでしょう?
一方で、昨年あなた達が作った商品を買ったお客さん、10人
中3人が不良品を手にしてしまってます。
弊社や取引先である某大手コンビニにはたくさんのクレームが
来ました。
対応するために多くの人と彼等の時間を費やしてます。
そして不良品を買ってしまったお客さんたち。
仕事に疲れ、家に帰る途中に入ったコンビニで、このクリスマ
スツリーが目に入り、子供や家族の事を思って買ってくれた人、
恋人との楽しい時間を過ごすために買ってくれら人たちの心を
傷付けてしまっています。
ツリーを楽しみにしていた子供達。
なのにスウィッチを入れたら光らない、音楽が鳴らない。。。
どんな思いがしますか?
想像してみて下さい。
契約書や品質に関する書類を用意しなかった弊社の責任が大き
いですし、今年になってこんな話をするのはとても心苦しいで
す。
でも、理解して下さい。
お客さんの気持ちを
お客さんの心を!
入社して2ヶ月も経っていない私ですが、約束します。
もし今年、不良品が激減した場合は、私が責任を持って来年の
仕事を契約してきます
だから、今年は私の事を信じてついてきて下さい。
お願いします!
ICチップの社長は私の話に耳を傾け、都度サイ社長や工場で働
く人達に通訳してくれている。
口から出任せだけど、筋は通しているつもりだし、お互いの利
益にも触れているし、来年の展望が見えるような話もしたつも
りだ。
これで態度を変えてくれないなら仕方がないし、何も手を打た
なかった日本の会社が一番悪い。
納得してもらえないなら、当初のプラン通り、仕事が終わるま
でこの街に住み、お金がなくなるまで南国ライフを楽しめば良
いだけだ。
話し終わる頃には気持ちが落ち着いていた。
どうにでもなれ。。。。
つづく